車のカスタムで一番最初に考える人も多いのがホイールの交換ですよね。
純正ホイールからであれば、インチ数をアップさせることができるのでドレスアップにもなり、見た目もカッコよくなるためもっとも簡単なカスタムの1つとなります。
ホイールを大きくすることを、専門用語でいうと「インチアップ」ですが、このインチアップにはどんなメリット・デメリットがあるのかすごく気になる人もきっと多いはずです。(正確には以下で解説。)







- インチアップするメリット・デメリット
- インチアップすると車検や燃費に関する正しい情報
- インチアップした時の誤差の計算方法
今回は、このインチアップに関するメリット・デメリットを解説しつつ、車検や燃費にどんな影響をあたえるのか詳しくお伝えしていきます。
インチアップとは
正しいインチアップとは以下のことになります。
インチアップとは、タイヤの外径を変えずに偏平率を下げ、リム径を大きくすることを言います。
正しいインチアップは、走行安定性の向上やルックスを良く見せるなどのメリットに繋がります。
その反面、規定のサイズから変更するにはいくつか注意をしなければならない点があることも覚えておきましょう。引用:DUNLOP公式サイト
正しいインチアップとは、ホイールのサイズ(インチ数)をアップさせ、タイヤの扁平率をさげること。タイヤの外径がかわらない。
日本のタイヤメーカーもこのように紹介しています。しかし、本当に正しいインチアップを行えば走行安定性につながるのでしょうか?
また、書いてる通りどんな注意点があるのでしょうか、ここから一緒にインチアップのメリット・デメリットについてみていきましょう。
インチアップのメリット!見た目以外のメリットは本当にあるのか
まず、インチアップのメリットについて紹介していきます。ホイールを変える人の多くは見た目を変えるためという人は多いと思います。そのほかにどんなメリットがあるのかも紹介していきます。
スタイリッシュな見た目になる・カッコよくなる・個性を発揮できる
- スタイリッシュな見た目になる
- おしゃれになる
- カッコよくなる
ホイールを変えることで車が与える印象をガラッと変えることが可能になります。ホイールが違うだけ横からの見た目は大きく変わります。
ホイールはたくさんの種類があるので、個性を発揮できるクルマのパーツの1つといえるでしょう。



運動性能がアップする!?






1つ語弊がないようにお伝えすると、運動性能がアップしても実際は大きくアップするわけではないため体感できない人の方が多いと思います。
運動性能がアップする理由『走行安定性』
タイヤの側面部分である「サイドウォール」は柔らかく作られていて、クルマに取り付けるとクルマの重みで一部「たわみ」が出ます。
しかし、インチアップをして偏平率を下げることによりサイドウォールが短くなり「たわみ」が出にくくなります。この理由から、運転する際のハンドルからのレスポンスがよくなるため、走行中の安定度がアップというメリットがあります。
グリップ性能がアップする!?コーナリング性能がアップ!
タイヤをインチアップすると同じタイヤの幅でも低偏平化により、地面に接地する面積が大きくなります。そのため抵抗が増えることで、カーブの時や制動時のグリップがアップするといわれています。



ブレーキ性能がアップする!?
正しいインチアップをすれば、タイヤの外径が変わらないためその分たわみが少なくなるとお伝えしました。
このタイヤのたわみ(変形)が少なくなることで、ブレーキングの性能がアップします。また、インチアップすることで大きなホイールを装着することで大型のブレーキへカスタム可能になります。大型ブレーキへ交換すればよりブレーキ性能の向上も見込めることになります。



インチアップのデメリット!燃費や車検に悪影響?



インチアップにより考えられるデメリットは以下の5つ。
- 乗り心地が悪くなる
- ハンドル操作(ハンドリング)が重くなる
- ロードノイズ(走行音)がうるさい
- 燃費が悪くなる
- 車検にとおらない!?
それでは、インチアップの5つのデメリットを見ていきましょう。
乗り心地が悪くなる
タイヤの偏平率が下がるとタイヤのクッションとしての役割が弱くなってしまいます。要は、道路の凹凸がよりダイレクトにドライバーに伝わってくるため、衝撃などがもろに伝わり乗り心地が悪く感じる可能性が十分に考えられます。



ハンドル操作が重くなる
インチアップするとホイールが大きくなるため、タイヤは横幅(太く)が大きくなり、その分重くなるわけです。重量がアップすればハンドルも重くなりますし、燃費悪化にも関係してきます。
ホイール自体は軽いものでもタイヤの重さの分は重くなるためインチアップ前と比べると足廻りの重量がアップしハンドリングに影響してくるといわれています。
ロードノイズ(騒音)問題
インチアップのメリットでもありますが、接地面がアップすれば安定性が上がる半面、道路から伝わる音も多くなります。静寂性が失われ、これまで走行音が気にならなかった人も気になるくらいになる可能性は十分に考えられます。
ただし、この部分では装着するタイヤによって大きく変わるため改善することは可能といえます。
燃費が悪くなる
接地面が大きくなり、足回りの重量も重くなれば自然と燃費にも悪影響を及ぼします。接地面が大きくなればその分抵抗も増えるため見た目ではわかりにくいですが転がりにくい状態になるわけです。
そのため燃費が悪くなるといわれています。
車検に通らない可能性もある!?
正しいインチアップを行っていれば車検に通らないということにはなりません。
しかし、インチアップでは幅の広いタイヤを装着することもあるため、タイヤの横幅を車体の大きさに合わせることが大切になります。
- タイヤがクルマのフェンダーからはみ出した状態で装着する
- タイヤが車体やブレーキと接触している状態
このような2つの状態であると、法律的に認められず整備不良として車検に通らない可能性があるわけです。ちなみに面一(ツライチ)であれば問題ありません。
インチアップさせた時のメーター誤差を計算する
インチアップさせる時は、極力メーターの誤差が大きくならないタイヤサイズにすることをおすすめします。
しかし、タイヤサイズはややこしく感じるため、現在のタイヤサイズとどのくらいの誤差がうまれるのか判断しにくい部分があります。
そういう場合は、インチアップ計算ツールを利用しましょう。
↑のツールは、推奨サイズと準推奨サイズを一目で判断できるツールです。どのタイヤサイズにするべきか簡単にチェックすることができます。
こちらの計算ツールは、タイヤの外径差、車高、スピードメーター、速度、走行距離の誤差を目安として簡単にチェックすることが可能なツールです。






インチアップするときの知っておきたい注意点
最後にインチアップさせる時に絶対にチェックしておくべきポイントを紹介しておきます。
- ロードインデックスが同等のものを選ぶ
- 外径が変わらないタイヤを選ぶ
- 車体に干渉しないこと



ロードインデックス(最大負荷能力)が下がらないようにする
タイヤにはロードインデックスが表示されています。タイヤ一本にどのくらいの重さまで耐えることができるかというスペックを表しています。
海外製のタイヤなどを選ぶこともあると思いますが、このロードインデックスを下げてしまっていないかということはしっかり確認しましょう。
ロードインデックスについては以下の記事を参考にしてください。
>>タイヤサイズの見方!確認方法・規格や数字・記号の意味とは
外径が変わらないように選ぶ
タイヤの外径が大きく変わってしまうインチアップをおこなうと、タイヤがクルマの車体に干渉する可能性があります。また、タイヤの円周が変わるためスピードメーターに誤差が発生し、最悪車検に通らなかったり、走行性能に悪影響を与える可能性があります。



車体にタイヤが干渉しないものを選ぶ
タイヤが車体に干渉しないタイヤ選びが大切です。
通常時では、タイヤが干渉してなくても凹凸のある道路を走行するとタイヤが車体と干渉してしまう場合もあり、タイヤを早く劣化させる可能性もあります。
車体に干渉しないか心配というかたも専門店にまずは相談することをおすすめします。
インチアップは車種によってホイールの規格(JWL)に注意する



アルミホイールを選び際の注意点なんですが、現在フリマサイトなどを見れば安いホイールなどもあるためカッコよければいいという理由で値段が安いホイールを選ぶ人も多いと思います。
安いホイールを購入するのは問題ありませんが『JWL』もしくは『JWL-T』という規格に適合しなければ、乗用車・貨物登録している車は車検に通りませんというものになります。
道路運送車両法では軽合金製ホイール(アルミホイール)にはJWLやJWL-Tの刻印がなければ車検に通りませんと定められており、これはそれなりの強度がなければ走行してはいけないという日本独自の基準となります。



JWLについて
乗用車のアルミホイールの規格になります。
主に3ナンバーや5ナンバーに分類されるクルマの基準で、装着するアルミホイールにJWLの刻印が無いものは車検に通りません。国内メーカーのアルミホイールには高めの割合で刻印されています。



JWL-Tについて
JWL-Tは、貨物・バス用のアルミホイールの規格となります。主に1ナンバーや2ナンバー(11人乗り以上)の場合は、JWL-Tの刻印がない場合は車検を通過することができません。
トヨタのランクルやタンドラなど人気の四駆やピックアップの方の中には1ナンバー登録をしている人もいると思いますが、2014年の法改正により『JWL』でも問題ないということになりました。
タンドラなどの場合、通常最大積載量500㎏以下となりますが、カスタムやモデルなどによって最大積載量が500㎏を超える場合はJWL-Tの刻印が必須となります。



ハイエースのバンはどうなの?その他の車種は?
https://twitter.com/tireworldkan/status/1438427440926412804ハイエースのバンの場合も、最大積載量500㎏を超える場合は『JWL-T』の刻印が必須です。
ただし、ハイエースワゴンの場合はJWLでOKになります。2ナンバーのコミューターはJWL-Tが必須です。
この基準は乗用に供する車であるかないかということです。
キャンピングカーの場合は、1ナンバー登録だと思いますが、乗用なのでJWLの規格でOKです。福祉車両についても乗用であればJWLでOKなんですが、エリアによっても異なることがあるので、心配な場合は、お住いの陸運局に問い合わせてみましょう。調べたところによると関東ではJWLでOKみたいですね!
インチアップのメリット・デメリット!車検や燃費にどう影響するのか:まとめ
ここまでインチアップのメリットとデメリットについて解説してきました。最後にここまで紹介してきたメリットとデメリットについてまとめておきます。
インチアップのメリットは以下の
- 見た目がカッコよくなる
- 走行時の安定性がアップする
- グリップ力が向上する
- ブレーキ性能がアップする
- 乗り心地が悪くなる
- ハンドリングが重くなる
- ロードノイズがうるさい
- 燃費が悪くなる
- 車検に通らない可能性もある
- ロードインデックスを下げない
- 外径を変えないようにする
- 車体に干渉しないサイズ選び
以上がインチアップのメリット・デメリットでした。
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